Treatment診療について


マイクロスコープ治療Microscope
精密な歯科治療で、痛みや根管治療後の再治療リスクを減らす

過去に治療した歯が再び痛み出した場合や、治療後も腫れがなかなか治まらないといったケースでは、根管内部に問題が残っている可能性があります。また、奥歯の虫歯が進行している場合も、早急な対応が必要です。こうした症状に対し、当院では精密な診断と治療を行い、症状の改善を目指します。
マイクロスコープ治療とは
当院では、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して、肉眼では見えない細かな虫歯を拡大し、精密な治療を行っています。特に根管治療では、マイクロスコープを使って歯の根の細かな形態を確認することで、治療の精度を各段に高めることが可能です。
従来、歯科医師が使用するルーペでは術野を8~10倍に拡大して確認していましたが、マイクロスコープを使用することで、最大20倍まで拡大することができます。これにより、肉眼やルーペでは確認が難しい歯の根の細部まで視認できるようになりました。
歯の根の形状は人によって異なり、特に根の先端が細く分岐しているケースでは、ルーペでは確認が難しいことがあります。当院では、このような難易度の高い根管治療にも対応し、マイクロスコープを駆使した診断と治療を行っています。その結果、歯の根の細かな形状を見逃すことなく、精度の高い治療を実現しています。
根管治療とは
根管治療は決して珍しい治療ではありません。虫歯がひどくなり、「神経を抜く」治療を行った経験がある方も少なくないでしょう。
根管治療はとは象牙質に到達した虫歯の、菌や膿に侵された部分を取り除く治療です。
虫歯のステージ
歯の表面や歯周ポケットについた歯垢(プラーク)に虫歯菌が集まります。
虫歯菌はプラークを餌に酸を排出し、この酸が歯を溶かして虫歯ができます。
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健康な歯
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C0
初期う蝕歯に穴は空いていませんが、酸によって歯の表面が脱灰しつつある状態です。この段階では自覚症状はありませんが、適切なメンテナンスやフッ素塗布によって再石灰化が可能です。初期う蝕は、定期検診やセルフケアで進行を防ぐことができます。
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C1
エナメル質う蝕虫歯が歯の表面のエナメル質部分に侵食した状態です。この段階ではまだ痛みを伴わず、無症状であることがほとんどです。定期的なメンテナンスやチェックアップを受けていれば、早期に発見することができます。この時期の治療は比較的簡単で、進行を防ぐことが重要です。
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C2
象牙質う蝕虫歯がエナメル質を越え、その奥の象牙質にまで達した状態です。この段階では冷たいものがしみるなどの自覚症状が現れることがあり、これをきっかけに歯科医院を受診する患者が多いです。治療には削る範囲が広くなる場合があるため、早期発見が鍵となります。
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C3
歯髄炎、根尖性歯周炎虫歯が歯髄(神経)にまで達すると、歯の神経を取り除く「抜髄」(根管治療)が必要になる場合があります。
歯髄炎を放置したり、不完全な治療が行われると、歯髄が壊死し、感染が歯根の先端(根尖)に広がります。根尖に膿がたまると、顎の骨(歯槽骨)が溶ける「根尖性歯周炎」を引き起こします。この状態では、感染した根の先端部分に溜まった膿を完全に除去する「感染根管治療」が必要となります。
根管治療は、歯の先端部分が非常に細く複雑な形状をしているため、難易度が高いとされています。不完全な治療を防ぐためにも、マイクロスコープのような拡大器具を使用して、精密かつ丁寧な治療を行うことが重要です。
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C4
残根状態歯のほとんどが失われ、残っているのは歯根部分のみの状態です。この段階では、歯の神経が壊死しているため痛みを感じないこともありますが、放置すると歯茎に膿がたまり、膿が流れ出ることがあります。この状態では、抜歯以外の選択肢がほとんどありません。
抜歯後は、インプラントやブリッジ、義歯などの補綴治療が必要になる場合があります。
マイクロスコープが導入される理由と重要性
3次元CTとマイクロスコープを併用することで、より精密な治療を行うことができます。
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精密な治療を実現
歯の根は非常に複雑な形状をしており、特に奥歯では3根から4根が存在します。その中でも4本目の根管(4根管目)は非常に見つけにくいことがあります。この4根管目を見落とし、菌が残ったままの状態で治療を終えてしまうと、治療後に再び痛みが出て再治療が必要になることがあります。
しかし、マイクロスコープを使用することで、肉眼では確認が難しい小さな4根管目もはっきりと視認することが可能です。根管内部の菌を取り残すことなく、精密な治療を行うことで、根管治療の成功率は格段に向上します。マイクロスコープは根管治療の成功において、欠かせない重要な役割を果たしているのです。
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低侵襲治療が可能
過去に他院で治療を受けた歯の再治療を行う際、治療箇所以外の部分まで大きく削られているケースを見かけることがあります。これは肉眼で見えない部分を“手探り”で削ることで、必要以上に歯を削ってしまうことが原因です。
当院では、患者様の歯をできるだけ多く残すことを目指し、低侵襲治療を実現しています。保険診療であっても、必要に応じてマイクロスコープを使用し、精密で最小限の削除に留める治療を行っています。これにより、患者様ご自身の歯を守りながら、適切な治療を提供しています。
3根管の歯に見えても、痛みが完全されない場合、さらに小さく分岐した4根管目の見落とされている可能性があります。
3根管(部分) 4根管目探索中 根管清掃中 4根管目を発見 マイクロスコープを用いることで、非常に小さな部分まで確認し、確実に治療できます。
根破折 破折した器具の発見
根管治療の流れ
虫歯がひどくなり、歯の先端に膿がたまったものでは、治療期間が長くなります。
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主訴の確認
問診、レントゲン撮影、口腔内の検査を行い、治療方針を伝えます。
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虫歯になった部分を取り除き、洗浄します
精密に取り除くことで、治療の成功率が高まります。
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消毒薬を詰めます
炎症が強ければ空洞になった部分に薬剤を詰めて、仮の蓋で塞ぎ、数日置きます。
膿がなくなるまで、洗浄と消毒を繰り返します。 -
根管を充填して塞ぎ、人工の歯を装着します
洗浄が終了し、細菌の除去が完了しましたら、穴を歯科用のセメントで埋め、被せ物(人工の歯)を装着して治療を終えます。
人工の歯は保険が使えるもの、保険外のものなどあります。治療の際、医師にご相談ください。
マイクロスコープ治療のメリット
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高精度な治療
肉眼の20倍の拡大視野で精密に治療を行えます。
再発リスクの低減
感染部分の取り残しを防ぎ、治療の成功率を高めます。
削る範囲を最小限に
低侵襲で、ご自身の歯をできるだけ多く残す治療が可能です。
マイクロスコープが活躍する治療分野
当院では、医師が必要と判断する治療場面で、マイクロスコープを使用しています。
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根管治療
精密な根管清掃と、感染部位の除去が可能です。
より広範な虫歯治療
初期の虫歯に対し、削る範囲を必要最小限にとどめることが出来ます。
セラミック治療や詰め物の調整
人口の歯を高い精度で装着できます。
根管治療の料金(保険外治療の場合)
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- 抜髄治療
- 前歯
- 44,000円(税込)
- 小臼歯
- 66,000円(税込)
- 大臼歯
- 88,000円(税込)
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- 感染根幹治療
- 前歯
- 66,000円(税込)
- 小臼歯
- 88,000円(税込)
- 大臼歯
- 110,000円(税込)